ペリオドンタルシンドロームは、初めて聞く言葉で全身疾患に関係するのはわかりますが、全体的にはよくわからないのです。メタボリックシンドロームと関係があるのでしょうか?

まだ新しい単語なので、ほとんどの方が、しっくり来ていないと思います。メタボリックシンドロームも、ペリオドンタルシンドロームも、同じように複数の症状の症候群をいいます。

ペリオドンタルシンドロームは、歯周病に影響のある疾病の総称で、歯周病が影響をおよぼす疾病と 歯周病に影響およぼす疾病の双方を含む概念で医学的定義ではない。としています。

つまり、歯周炎・歯肉炎など歯周病の症状があり、糖尿病や動脈硬化などの疾患がある状態をペリオドンタルシンドロームとよんでいます。

歯周病に関連して発症する病気

  • 狭心症・心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 糖尿病(歯周病は糖尿病の合併症の一つ)

他には、誤嚥性肺炎、心内膜炎、動脈硬化、低体重児出産、早産、骨粗鬆症、関節炎、腎炎、これらが関連しいてるとされています。

歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。

歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。

日本臨床歯周病学会:歯周病が全身に及ぼす影響より抜粋

歯周病治療をすすめると糖尿病が改善する事がわかってきています。さらに、

2007年から2010年に滋賀県長浜市で「ながはま0次予防コホート事業」と呼ばれる、市民を対象とした大規模な疫学調査が行われた。今回の研究は、この第一期調査で得られた約1万人の情報を用いた横断研究だ。

参加者全員は歯科検診を受けており、歯周病などの口の中の持続的な炎症で失った歯の数が指標とされた。動脈硬化は「心臓足首血管指数(CAVI)」を使って測定。失った歯の数とCAVIの関係を年齢、性別、体格指数(BMI)、喫煙の既往、ヘモグロビンA1c、インスリンまたは糖尿病治療薬使用の有無を調整して解析した。

失った歯の数と動脈硬化度は有意に関連していた。また、女性より男性にその傾向が強いことも判明。口の中の病気は予防効果が非常に高く、歯科医院での定期的な診療により失う歯の数を減らせるだけでなく、動脈硬化症の予防にもよい影響があるとしている。

大学ジャーナル:失った歯の数と動脈硬化は強く関連する―疫学調査で証明 京都大学より抜粋

動脈硬化と歯周病の因果関係についても上記調査から明確になってきています。

つまり、歯周病とこれらの疾患を発症している状態をペリオドンタルシンドロームと呼び、医科と歯科の連携をスムーズにし、よりベストな治療の実現をめざします。

医療情報監修:若林健史(歯周病専門医)/ Wikipedia

ペリオドンタルシンドローム/Periodontal Syndromeについて