フッ素がどうして虫歯予防になるのでしょうか?

フッ素は、プラーク内で増殖する虫歯の原因菌を弱め、虫歯の元になる酸の生成を抑えます。また、歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促進します。同時に、歯の表面を酸に溶けにくい性質に修復し歯質の強化を進めます。

フッ素による虫歯予防のメカニズム

脱灰の段階で、リン・カルシウムを補充すれば、歯は修復されます(再石灰化)。 脱灰と再石灰化のバランスが均衡していれば、う触は予防できるのです。 フッ素は、細菌の活動を抑制し歯質の再石灰化を促進するので、う触予防に効果的です。

「フッ素で虫歯予防」奈良県歯科医師会より抜粋

( 4.歯磨剤の薬用成分 )

フッ化物に虫歯予防効果があると分ったのは,偶然のことである。20 世紀の初頭,米国や世界各地域で歯の概観が白く見え,小さな欠損や形の異常が科学者によって発見された。

多くの科学者がその原因を調べ,井戸水に含まれている F -にあることを突き止め,これをフッ素症(疫病のひとつ)として報告した。一方で,この地区では虫歯が明らかに少ないことも判明した。

そこでフッ化物の濃度を適切に使用すれば,フッ素症は起こらず虫歯が予防できることがわかった。

「歯磨剤の成分と虫歯予防フッ化物の不思議」中嶋省志(元東京医科歯科大学 特任講師)より抜粋

フッ素が身体によくないという意見もありますが、一般的なフッ素の中毒症状として、下痢・腹痛などの症状があり、重篤な場合、低カルシウム血症、高カリウム血症を引き起こす可能性がありますが、これは、フッ化物入りの洗口液を誤飲するなどして、大量に体内に取り入れた場合であり、通常の使用状態では、安全性に問題はありません。

 

医療情報監修:坂部 潤 / キッズデンタル